金の1手詰めパターン
将棋の格言で「金はとどめに残せ」というのがあります。
金は玉を詰ますのに最適な力を持っており、1手詰めの問題でも金を使って詰ますパターンが1番多いです。
金で詰ます手にはそれぞれ名称がついているので、1つずつ見ていきましょう。
頭金
1手詰めの中で1番基本的な頭金という詰みパターンです。
主に相手の玉が下段にいて、玉の頭に金を打って詰ますことが多いです。
金はナナメ後ろ以外に1マスずつ動くことができるので、この形で詰みになっています。
腹金
先程のは玉の頭から金を打って詰ましましたが、今度は相手の玉の横から金を打って詰ます形です。
腹金は右端か左端まで玉を追い詰めて詰ますことが多いです。
尻金
尻金は相手の玉を後ろから詰ます形のことです。
実戦ではあまり登場しないレアな詰まし方で、主に飛車と協力して尻金の形へ持ち込むことが多いです。
飛車の1手詰めパターン
飛車は将棋の中で1番強い駒なので、1手詰めでもダイナミックな詰みパターンが多いです。
例えばこの問題は飛車の利きを生かして1手で詰ますことができます。
△1ニ玉と香車の頭に逃げても飛車の利きがあるので玉が取られてしまいます。
一間竜
今度は飛車が成ってナナメにも利きを足した竜で詰ますパターンです。
玉のナナメに▲2三金と打って詰んでいます。
△同金と金で取り返しても、飛車の横利きがあるので玉が取れますし、△同玉と玉で取り返しても竜はナナメ後ろにも動くことができるので、玉を取ることができます。
角の1手詰めパターン
角も飛車と同じで遠くまで利きのある強い駒なので、ダイナミックに詰ますことができます。
この問題は持ち駒が角以外だと詰ますことができません。
角が1三の地点にまで利きがあるので、この局面は詰みとなっています。
銀の1手詰めパターン
銀は似た動きをする金と比べると、詰ますのには向きません。
しかし銀特有の詰みパターンもあります。
この局面は金では詰ますことができず、銀の利きを生かした詰まし方があります。
▲2一銀と打つのがナナメ後ろに動くことができる銀ならではの詰まし方です。
桂馬の1手詰めパターン
将棋の詰みというのは、攻める側は必ず2枚以上で協力しあって詰まします。
「自分の攻め駒が取られてももう1つの駒で取り返すことができる」
というのが基本です。
しかし桂馬だけは唯一単独で敵玉と詰ますことができるという特徴があります。
敵の駒がたくさんいますが、1手で詰ますことができます。
これが敵の駒を飛び越えることができるという桂馬の特性を生かした詰みパターンです。
香車の1手詰めパターン
香車という駒は、飛車が横に動けなくなったという感じで下位互換的存在です。
あまり香車を使った1手詰めパターンは多くありませんが、「開き王手」という手筋で香車が役に立つことがあります。
この局面は角をどこかに動かして成ることで1手で詰ますことができます。
正解はこの位置です。
玉の頭に△1三歩と歩を打っても、▲同香成と取り返して詰みです。
香車の利きに何か間に挟まっている駒があり、その挟まっている駒を動かして王手がかかる今回の問題のような状況を開き王手と呼ぶので、覚えておきましょう。
歩の1手詰めパターン
歩は将棋の中で1番弱い駒で、前にしか進むことができないので詰将棋のトドメとして使われることはほとんどありません。
そして注意しないといけないのが、打ち歩詰めという反則についてです。
歩を打って相手の玉を詰み形にするのは反則負けになりますが、盤上にある歩を動かして詰ますのはOKというルールがあります。
この問題は盤上に歩があるので歩を動かして詰ますのは問題ありません。