ぼくの好きな人物に真剣師の小池重明という人がいて、この男はしょっちゅう将棋にブランクを作るのですが、2年というブランクがあろうとも当時のアマ最強を簡単になぎ倒すという化け物じみた強さを持っていました。
小池は2年のブランクでしたが、ぼく自身は将棋ブランクが5年を突破したので、将棋をやっていた頃と5年のブランク期間を経たあと棋力がどう変化したのかを書き記しておこうかなと思います。
ブランク前~ブランク中
将棋をやめる前は毎日1000問以上の詰め将棋を解き、脳内将棋盤で研究をしたりネット将棋を1日10局くらい指してました。
棋力はともかく、局面を見れば即座に手がでひらめいたり、ひねっていない7手詰め以下の詰め将棋なら一瞬で答えがわかるくらいの感じでした。
そんな将棋漬けの日々を送っていたわけですが、ある時急に将棋が飽きて、それから現在に至るまで5年間ほぼ将棋の駒は触っていません。
自宅では一切触れてないですし、外で将棋の駒に触れたのも5年間で10回くらいだと思います。
ネット将棋も毎日のように指していたのに、5年間の間で20局くらいしか指してないです。
本当に急に将棋に飽きてやめました。
念の為言っておくと、26歳で夢破れたわけでもなく、ネット環境のない辺境の国に引っ越す事になったとかそういう理由でもありません。
ブランク後
そして5年経った現在です。
将棋に関して感じる変化を書いていくと、
- 局面を見ても手が思い浮かばなくなった
- 詰め将棋が全然解けなくなった
- 序盤の戦略変化についていけなくなった
こんな感じですね。
将棋ウォーズとかクエストとか10秒将棋をやると、手が見えなさすぎて本当にびっくりします。
パニックになった時に指す手は目もあてられないひどい手です・・・。
詰め将棋も毎日頑張ってトレーニングをしていたのに、5年間ブランクがあるだけで全然解けなくなってしまいました。
3手詰ならかろうじてひと目で解けますが、5手詰めはちょっと考える必要があり、7手詰めは30秒以上見えないこともしばしばです。
7手詰めが一瞬で見えるのと、30秒以上考えることがあるのとでは、実戦でどれだけ影響があるかは一目瞭然だと思います。
そして序盤戦術についてですが、昭和時代の話だったら5年間ブランクがあろうとも将棋の定跡なんて大した変化がなかったと思うので、すぐ対応できたと思います。
しかし現代将棋の定跡の進歩は圧倒的に早いので5年も期間があいていると、最新系を理解するのにものすごく時間がかかります。
特に5年前と今とでは、プロやアマトップだけではなく、24初段クラスの人もソフトの影響を受けているのがひしひしと伝わってきますね。
将棋全体のレベルが底上げされている感じがします。
レート換算するとR400くらい下がっていそう
将棋倶楽部24のレーティングはかなりデフレしているようなので検証はできませんが、自分の実感としてR400くらいは下がっていると思います。
そういうわけでその人の棋風や能力にもよると思いますが、将棋のブランクが5年くらいあるとR400くらい下がることがあるという結論です。
対局者間でR400差があれば、30回やって1回勝てるかどうかくらいの棋力差なので、5年前の自分にはそれくらい差があるということになります。
まあ実感としても5年前の自分にはそれぐらい勝てないと思いますね。悲しい。
将棋の上達を目指す皆さんへ
5年のブランクというのは極端な話ですが、1週間という短い期間でも将棋をやらないと弱くなると渡辺棋王も語っていたことがあるように、将棋というのはやらないとすぐ弱くなります。
トッププロでさえそうなのですから、アマチュアなら1日やらないだけでも勘が鈍る可能性大です。
そこで1日5分でもいいので将棋をやる時間を設けて、継続することをおすすめします。
「継続は力なり」は科学的にも証明されていて、将棋が強くなる上では重要なのでぜひとも毎日将棋をやっていただければと思います。
そして受験や仕事などでやむを得ず長期間将棋をやめなくてはいけない人達もいるかと思います。
そのとき将棋の棋力がどうなるかはご想像の通りかと思いますが、ぼくのように5年という長期間のブランクだと、R400くらい下がることも覚悟したほうがいいかもしれません。
まとめ
実体験を元に5年ブランクがあるとどうなるのか?ということを紹介しました。
今回の内容をひと目でわかるようにまとめると、
- 5年ブランクがあると終盤力が超低下する
- 最新系についていけなくなる
- レート換算でR400点くらい下がる(昔の自分に30回やっても1回勝てるかどうかくらいの差)
- 強くなりたい人は毎日将棋をやりましょう!
こんな感じになります。
棋力は上げるのは大変なのに、下げるのは本当に簡単で嫌になりますね・・・。
だからこそ毎日詰め将棋を解いたりしないといけないわけですが・・・。