詰め将棋を解くというのは将棋の勉強法として良く知られていますが、必死問題を解くというのはあまり一般的ではありません。
しかし同じ問題数をこなすのであれば、詰め将棋を解くより必死問題を解いたほうが強くなれます。
なぜ必死問題を解くほうが詰め将棋より強くなれるのか?その理由を紹介していきます。
必死問題は詰め将棋よりはるかに難しい
1手で必死がかかるのを1手必死問題、3手で必死がかかるのを3手必死問題などといいますが、1手必死は7手詰めぐらい難しかったりします。
例題として1手必死の問題を載せます。
答えは▲2一角までで1手必死なのですが、本当に受けがなくなっているかを読むのに7手詰めの詰め将棋を解く時の読む量が必要となってきます。
この問題であれば、△同金なら▲1三竜△1二金▲2三桂△2一玉▲3一金まで、△4二飛には▲1二角成△同金▲2一金までなどなど・・・。
1手必死だからといって1手詰めを解くノリでやると難しすぎて挫折してしまうかもしれないぐらい難しいです(笑)
必死問題をやるとくまなく読むようになる
詰め将棋は敵玉を詰ます手順を1つ見つければそれ以上考える必要はありませんが、必死問題は攻める手と相手の受ける手がないかくまなく読まないといけません。
なので簡単に読みを打ち切ったりしなくなり、あらゆる可能性を追うようになります。
簡単に読みを打ち切ったりすると実戦では思わぬ手を喰らって負けてしまうということが多々ありますが、必死問題でくまなく読む癖をつけると読み打ち切り癖がなくなり勝率も上がります。
くまなく読む癖というのは短い詰め将棋をたくさん解く勉強法では身につかない技術で、普通は30手を超えるような長手数の詰将棋を解いたりする必要があります。
普通のアマチュアには長手数の詰将棋を解く勉強法は難しいですが、必死問題は1手必死でもくまなく読む癖がつくのでお手軽でおすすめです。
必死問題を解くメリット
必死問題を解くメリットを簡単にまとめてみます。
- くまなく読む癖がつく
- 同時に詰め将棋も解くことができる
- 必死問題のパターンを暗記すると他の人に差をつけることができる
①のくまなく読む癖のメリットは先程紹介したように、実戦で簡単に読みを打ち切って読み抜けなどをしなくなることです。
②の同時に詰め将棋というのは、必死問題を解くと変化の中で必ず敵玉の詰み手順を確認しなくてはいけないので、必死問題を解くということは詰め将棋を解くということでもあります。
③の他の人と差をつけることができるというのは大きなメリットだと思っていて、短手数の詰将棋を解くという勉強法は普通のアマチュアでも一般的にやられていると思います。
例えば、この7手詰めを見た瞬間解けるという人はそれなりにいるといます。
詰め将棋をたくさん解いていればこの形の筋は何度も出てくるので答えが暗記できるレベルです。
一方で次の問題は必死問題でも実戦でもよく出てくる形です。
しかしこの問題を見た瞬間答えられる人はそこまでいないのではないでしょうか?
ぼくもさっきの7手詰めは答えを暗記しているのですぐわかりますが、この問題はちょっと考えてしまいます。
逆に必死問題を暗記できるレベルまで解いていれば実戦の終盤戦で大きく差がでます。
将棋で勝つ上には対戦相手が勉強していなさそうな有効なことを勉強することで、力に差別化をつけて勝ちやすくなります。
詰め将棋はたくさんの人が解くので並の努力では差別化が難しいですが、必死問題を解く勉強法は一般的ではないので、必死パターンの認識力の差は簡単に差をつけることができます。
必死問題を解くデメリット
若干こじつけ感はありますが、必死問題を解くデメリットも紹介します。
- 必死問題を取り扱う本が少ない
- 必死問題は難しく挫折しやすい
- 盤面を広く使うことが多く、脳内将棋盤で解くのが難しい
①の必死問題の本の少なさについては本屋に行ってもわかりますが、詰め将棋本の10分のもないです。
なのでぼくは持ってない必死問題の本は1手必死だけでも買うようにしていました。
②これはそのまんまの意味です。さっきの1手必死すら7手詰めぐらいの難しさで、ある程度の実力がついてからでないと挫折しやすいと思います。
③についてはそんなに当てはまる人はいないと思いますが、歩きながら必死問題を解こうと思ったときに盤面が広く使うことが多いため記憶できなくて解けない・・・ということがあります。
なので必死問題はおとなしく本などで盤面を見ながらじっくり解くことになりそうです。
まとめ
必死問題を解くと詰め将棋より強くなれるという話や、必死問題を解くメリットやデメリットについて紹介しました。
必死問題を解くという勉強法はかなり有力なのに、詰め将棋より全然解かれていません。
なので必死問題を暗記するぐらい繰り返し解くという勉強法はライバル達に差別化をはかることができておすすめです。
さらにこの記事の内容を本当に一言で表すとこうです。
もっと必死問題解け