ノーマル三間飛車はアマチュアに根強い人気のある戦法です。そして初心者にもおすすめできる強力な戦法なのです。
初心者にもノーマル三間飛車をおすすめできる理由としては、
- 序盤から乱戦になりにくく、玉を囲ってから戦うことができる
- 四間飛車と比べて序盤がわかりやすい
- プロでも指されるほど優秀な戦法
- ロマンがある
この4つが理由となります。
玉をしっかり囲えて序盤が分かりやすいというだけで初心者にありがたいのに、その他にもおすすめできる理由があるノーマル三間飛車は最高です。
早速おすすめの理由を1つずつ詳しく確認していきましょう。
ノーマル三間は乱戦になりにくく玉を囲える
相居飛車だと居玉のまま戦わないといけないことは多々ありますが、ノーマル三間なら玉を囲う前に戦いが起きるということはあまりありません。
特に最近は居飛車側が持久戦を選ぶ事が多いので、最低でも美濃囲いまでは組んでから戦いになり、乱戦が苦手な人には安心感があります。

ノーマル四間と比べてノーマル三間はわかりやすい
振り飛車の中ではノーマル四間が一番人気ですが、実はノーマル四間は序盤の指し方が難しい戦法だったりします。
というのもノーマル四間は基本相手に仕掛けてもらうのを待つ戦法なので、自分から攻める展開があまりないです。
一方ノーマル三間だと石田流という振り飛車の理想形に組む狙いがあるので、手待ちする展開にはなりません。

この浮き飛車+△3三桂と跳ねた形が石田流と呼ばれる形で、桂馬が使えている分攻撃力が高い形として知られています。
上級者でも手待ちが好きっていう人はなかなかいないので、初心者には手待ちの展開にならないノーマル三間のほうがおすすめです。
ノーマル三間はプロでも指される優秀な作戦
振り飛車の中にもプロで全く指されない戦型があります。例えばノーマル中飛車とかです。
現代では欠陥のある戦法はソフトで集中的に研究され、すぐに必敗手順が暴かれます。そうなるとプロの将棋で登場することはありません。プロも生活がかかっているので勝てないとわかっている戦法は指しませんからね。
でもノーマル三間は今でもよく指されているので、ソフトでの集中的な研究にも耐え抜くことのできている優秀な戦法といえます。
2018年中にはA級順位戦の久保王将対羽生竜王というトッププロ同士の対局でノーマル三間が指されました。
結果は居飛車勝ちでしたが終盤まで互角の展開だったので、ノーマル三間はトップレベルでも通用する戦法です。
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ノーマル三間のロマンについて
ノーマル三間のロマンとはなにかと言うと、ノーマル三間はアマチュアの人が考えた指し方が戦法名になっているということです。
代表的なところで、かなけんシステム、トマホークなどがあります。

上図は後手が△9三桂と跳ねた局面です。この手順が一般的にトマホークと呼ばれています。
プロが本気になって研究している角換わりとか横歩だとアマチュアの研究が定跡の進歩に役立つことはほとんどないですが、ノーマル三間はそこそこマイナーなので、プロで指されないような未開拓な手順を発見して定跡の進歩に貢献できる場合があります。
自分の考えた手が定跡進歩に貢献できるかもしれないなんてロマン以外の何者でもありませんよね!
でも初心者の場合はオリジナリティより強い人が指すノーマル三間を真似するようにしましょう。オリジナリティは基礎的な定跡を一通りマスターしてから考えないとなかなかうまくいきません。
まとめ
乱戦にならずに玉が囲えて石田流に目指すという目標があり、プロでも指されるロマンがある。それがノーマル三間で、初心者におすすめできる戦法というお話でした。
得意戦法がない人や、これからどの戦法を勉強しようか迷っている人はぜひノーマル三間を選択肢に入れて考えてみてください!