よくわかる振り飛車

初心者に四間飛車をおすすめしない3つの理由

四間飛車 初心者

 

昔から初心者におすすめする最初の戦法は棒銀か四間飛車のどちらかという風潮があります。

四間飛車は振り飛車の中でも1番人気のある戦法ですし、四間飛車を得意戦法にしているプロ棋士も多いから初心者にもおすすめしている人がいるのかもしれません。

しかし個人的には四間飛車は初心者向けどころか上級者向けの戦法だと思っていて、初心者には全然おすすめできません。

なぜ四間飛車を初心者におすすめできないのか?その理由は3つあるので1つずつ紹介していきたいと思います。

 

居飛車側の対策が多すぎる

四間飛車に対して居飛車側の対策が多すぎるため、覚えるべき定跡が多すぎるのが四間飛車の難点です。

私がちょっと思いつくだけで、

  1. 棒銀
  2. 鷺宮
  3. ▲4五歩急戦
  4. ▲4六銀左急戦
  5. ポンポン桂
  6. 居飛車穴熊
  7. 左美濃
  8. 天守閣美濃
  9. ミレニアム
  10. 5筋位取り
  11. 玉頭位取り
  12. 右四間飛車
  13. 引き角
  14. 糸谷流右玉
  15. エルモ囲い+急戦

こんなに居飛車側の対策が出てきます。

大まかにわけても急戦、持久戦でそれぞれ勉強しないといけないのでかなりしんどいではないのかと思います。

初心者のうちは定跡とかを勉強したことで即実戦で登場するという「これ進研ゼミでやったとこだ!」的な現象が将棋を続ける気になるモチベーションにつながると思うので、勉強したことがすぐ実戦に現れにくい四間飛車はおすすめできません。

 

定跡書が多すぎて何を買っていいか分からない

居飛車側の対策が多いので、四間飛車に関する定跡書もたくさん出ています。

本屋に行っても四間飛車のコーナーにはたくさん本が置いてありますが、初心者にとってはどの本を買って勉強すればいいかわからないはずです。

結果的にあまり質の良くない四間飛車の定跡書を買ってしまい、勉強にならないというパターンが多いのではないかと思います。

私が教えていた人にも四間飛車を始めようとして本をたくさん買っていたのですが、「定跡書に書いてある内容が実戦で登場しない!」と嘆いていましたね・・・。

 

大抵の戦法なら本1冊買えば大体網羅できますが、四間飛車は定跡が多すぎるので1冊だけでは全然四間飛車をマスターできないっていうのも良くない点ですね。



四間飛車は攻める能力がほとんどない

四間飛車はカウンター狙いの戦法なので、相手が攻めて来ない場合は玉を固めるか手待ちするくらいしかありません。

 

 

例えばこんな手。

ちょっと昔の弱いコンピュータと指すとこういうことをやってくるのですが、急戦をするために▲6八銀と上がったはずなのに持久戦志向の▲7七角と上がってきて指し手に一貫性がない感じです。

しかし一貫性がない手をやられてもいきなり攻める手段がない後手としてはとりあえず玉を固めておくくらいです。

 

 

ちょっと進んで、先手陣は江戸時代の将棋のような構えをしています。

こんな古臭い陣形をしていても後手から攻める手がなく、銀冠に囲いにいくくらいなのですが、相手に変なことをやられても攻めることができない四間飛車をやっているとストレスを感じます。

特に将棋初心者なら受けたり手待ちするよりも攻めるほうが好きという人がほとんどなので、四間飛車の攻める能力のなさは初心者には苦痛なんじゃないかと思います。

 

では初心者は何を指したらいいのか?

同じノーマル振り飛車を選ぶなら四間飛車より三間飛車のほうがおすすめできます。

 

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ノーマル三間飛車は石田流に組み替えるという狙いがあり、四間飛車より攻撃力があるので四間飛車のようなずっと手待ちしていないといけないことが少ないです。

もしくは角交換四間飛車穴熊(レグスペ)なんかも初心者のうちはいいんじゃないかと思います。

 

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角交換四間飛車穴熊は同じ四間飛車でも居飛車側が急戦を仕掛けることができないということと、覚えるべき定跡が少ないというメリットがあります。



まとめ

四間飛車を初心者におすすめできない理由と逆におすすめの戦法を紹介しました。

これから得意戦法を決めようとしている将棋初心者の方は「初心者には四間飛車」という風潮に騙されずに覚えやすい戦法を見つけていただければと思います。