皆さんは駒の動かし方も全く分からない将棋初心者から「将棋を教えてほしい」と言われた経験ありますか?
ここで想定する相手は、将棋道場とか将棋を趣味にしているようなガチな人ではなく、興味本位で将棋をやってみたいというようなライト層です。
子供、大学生、ご老人と様々な将棋初心者に教えてきた経験のある私からすると、将棋に興味を持ってもらえる時間なんて平均10分くらい。
ここでどのような教え方をするかで、今後も将棋に興味を持ち続けてくれるかが決まると言っても過言ではありません。
誰もがスマホを持っているこのご時世で、スマホゲーと比べると将棋はルールを覚えていざ実戦に進むまでのハードルが高いですからね。
そこで今回私がおすすめるのは、玉、飛車、角しか使わない初心者専用の将棋で、普通の将棋のルールを覚えてもらうより10倍楽なので、1度試してみていただければと思います。
初心者向け「飛車角将棋」
一体どういうものかと言えば、初期配置に下手が飛車角だけ、上手が持ち駒なしの玉だけというシンプルな局面からスタートするルールです。
- 上手の手番からスタート
- 下手は上手玉を詰ましたら勝ち
- 上手は7段目に入ったら勝ち(入玉したら勝ち)
- 駒をタダ取りされたら1手戻ってやり直し
これは私が考案したものではなくて、10年以上前の将棋新聞の漫画に載っていたやつですが、かなり初心者向けのルールで実用的だと思っています。
まずこのルールなら覚える駒が飛車と角と玉だけでいいのが、初心者の人にとって覚えやすくていいですね。
将棋があまり分からない人でも割と飛車は縦横真っ直ぐ、角はナナメと覚えている人も多いですし、玉は全方向に1マスずつ動くので覚えやすいです。
私が読んだ漫画では、玉の周りにコインみたいなものを置いて、より駒の動きを分かりやすくしていたような記憶があります。
それで、実際にこのルールで将棋教えると、勘の鋭い人は何局か指しているうちに飛車の横利きを使って玉を上に上げさせないという戦略を思いついてきます。
初手△5ニ玉に▲2三飛成、△6一玉には▲3ニ竜という感じで。
そういうことができるようになり、スムーズに玉を詰ますことができるようになれば、飛車角将棋は卒業です。
ちょっと覚えてきた人には角角将棋
飛車角将棋は飛車の横利きを使って玉を上に上げさせない戦略が強すぎるので、これを思いつかれるようなら、角を2枚にする「角角将棋」にレベルアップします。
今度は難易度がぐっと上がって、角を成ってかつ、7段目に行かせないように馬を引きつけて玉の進行を防ぐ必要があります。
こんな感じの馬引きです。
飛車角将棋と比べて角角将棋は、角のナナメの利きをちゃんと把握するというのと、角を成って金の動きがプラスされたことを忘れず指さないといけません。
飛車角将棋より勝つのがかなり大変なので、下手にうまく負かされたらちゃんと褒めてあげましょう。
苦戦しているようなら、持ち駒に香車をあげるとかで工夫するのもありですね。
やってはいけないのは、
- 桂馬
- 銀
- 金
これらの駒の動かし方を覚えさせようとすることです。
この3つは初心者にとって覚えるのが苦労する駒達なので、飛車角将棋などで勝つ喜びを覚えてもらう前に駒の動かし方を教えて、挫折させてしまわないように注意しましょう。
大事なのは勝たせてあげること
今の時代好まれるのは、ルールが複雑ではなく、できれば脳を全く使わない、それでいて勝つ快感が味わえるようなゲームです。
そういう時代のライト層の人に、全部の駒の動かし方を覚えさせて、上手が玉1枚でボコボコにしちゃうなんてことをしてしまったら、将棋への興味はそこでなくしてしまうでしょう。
なので最初はわざとでもいいから負けてあげて、「もしかして自分は才能があるかも?」と思わせることが重要です。
うまくいけば、将棋ができる友人が1人増えるかもしれないので、負けず嫌いの人も将棋初心者に教えるときくらいは我慢して、負けてあげましょう。
まとめ
駒の動かし方も分からない将棋初心者へ教えるときのおすすめの方法の紹介でした。
将棋を趣味として毎日触れているような人には簡単すぎて退屈なルールに見えますが、将棋を知らない人はこういうルールでも勝って大喜びしてくれます。
私が教えた人の中にも、このルールから始めて、将棋ウォーズのアプリをインストールをしてくれるぐらいまで将棋ファンになった人もいるので、効果のある方法だと思っています。
将棋初心者にルールを教えるときに苦労している人は、ぜひ1度この方法を試していただければと思います!