アマチュアは定跡の勉強に時間を割くのは難しいので、ノーマル四間一本とか棒銀一本の人とか結構います。
そういう「指してくる戦法が必ずわかる相手」と対戦するときに、得意戦法を避ける指し方をするのは有効なのか?と悩む人も多いかと思います。
そんな人達のために、得意戦法を避けるのは有効なのかどうかを考えてみました。
得意戦法の避け方
戦法の種類によっては完全に避けることができるものもあり、以下のような感じでそれぞれの戦法を避ける手順があります。
戦法 | 対策 |
角交換振り飛車 | 角道を突かない |
横歩取り(後手番横歩取らせ) | 横歩を取らず▲2六飛と引く、角交換をする |
ノマ4で藤井システムもしくは対穴熊戦略 | 急戦、左美濃 |
後手ゴキゲン中飛車 | ▲2六歩△3四歩▲2五歩 |
先手石田流 | ▲7六歩に△8四歩と指す |
振り飛車相手にはかなり避ける手段があるという感じですね。
特に角交換振り飛車系の戦法は角道を突かないというだけで避けられてしまうので、対策はとても簡単です。
得意戦法を避けるのは有効なのか
羽生先生は相手の得意戦法を避けるのは長い目で見て自分にならないという趣旨のことをインタビューで語っています。
実際に相手の得意戦法を指させてそれを倒すという王者の指し方をよくやっていますよね。
相手の全力を叩き潰して経験値アップという理由もあれば、プロは同じ相手と何年間も戦い続けないといけないので、相手の得意戦法を避け続けるのはプライド的に良くないというのもあるのかもしれません。
しかしそれは同じ相手と戦い続けるプロだからであって、アマは同じ相手と当たり続けるかは分からないでですし、将棋を何年後も指しているかは分からないです。
なので相手にわざわざ100%の力を出させる必要はなく、相手の得意戦法を指させないだけで自分に有利になるのであれば、積極的に得意戦法を避けるべきです。
特に振り飛車党は指す戦法の幅が狭いので、居飛車を持つとR300くらい棋力ダウンするような人もいますし、穴熊大好きで薄い玉型での指し方が全然分からないという人も見てきました。
というわけでプロのように5年10年先のことを考えてではなく、目先の1勝にこだわって戦法選択をしましょう。
得意戦法は2つ持とう
一方得意戦法を避けられる側の人は、得意戦法を避けられたときのために2つ持っておくようにしましょう。
例えば角交換振り飛車党の人は角道を開けてくれなかったときのために四間穴熊を指せるようにしておくとか。
そうすれば片方の得意戦法が指せなくてももう片方の得意戦法で戦うことができます。
そしてそういう意味で2つの得意戦法は同時に封じられることがない戦法を選んでおくのがいいですね。
後手番ゴキゲン中飛車と角交換四間飛車は▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲4八銀といった感じで同時に防ぐことができてしまうので、片方はノーマル三間飛車にしておくという感じで2つ同時封じは避けることができます。
まとめ
得意戦法を避けるのは非常に有効なので避けられるのであれば積極的に避けるべきというのが結論です。
自分の得意戦法を使うのではなく、相手の得意戦法を避けるような指し方は戦法の引き出しをたくさん持っておかないといけないので大変ですが、得意戦法が指せずあたふたしている相手を見るのはけっこう楽しいものです。
序盤作戦を考えるのが好きな人は、ぜひ「相手の得意戦法避け党」を目指してみましょう!